学生時代は何をやってましたか?
私は小学1年生から高校3年までずっとバレーボールが生活の大半として過ごしてきました。
バレーを始めたきっかけはバレー経験者だった姉の影響で自然とその世界に入り、小学校の6年間もセッターとしてプレーしていました。中学に進学してからはポジションが変わり、最前線でスパイクやブロックを担う「ライト」としてプレーすることになりました。
所属していた中学校のバレー部は、特別な強豪校というわけではなかったため、1年生の頃からレギュラーとして試合に出場していました。練習は厳しく、平日は毎日、土曜日も活動があり、日曜も時には練習が組まれる環境でした。部員の多くが小学生からの経験者で、技術力も高く、レギュラー争いも熾烈でした。そのなかで1年生ながらレギュラーの座を勝ち取れたのは、周囲をよく見て動く判断力と、何よりもボールに対する執着心だったと思います。
大会では、県全体が県北・県南に分かれており、私たちのチームは県北大会で優勝することができました。ただ、県南の学校は県でもトップクラスの強豪が多く、県全体の大会ではなかなか勝ち上がることができませんでした。それでも、レベルの高い相手と対戦する中で、技術だけでなく、気持ちや声の出し方、チームの雰囲気の作り方の重要性を学びました。
特に印象に残っているのは、「どんなに苦しい試合展開でも、自分の姿勢や声かけが周りに影響を与える」ということを実感した瞬間です。調子が悪いときこそ、明るくポジティブに声を出して鼓舞することで、チーム全体の空気が変わる。その空気を変えるきっかけを自分が作れるようになったことは、部活動を通じて得た一番の成長だったと思います。
高校でも引き続きバレーボール部に所属し、副キャプテンとしてチーム運営にも関わる立場を担いました。当時の部活は、代替わり直後にレギュラーメンバーの大半が抜けたことで、再スタートのような状況でした。チーム力の底上げや後輩の育成が急務となる中で、私は「自分一人で何とかしようとしない」「チームで問題を共有し、解決していく」ことを大切にしていました。
特に意識していたのは“教育的視点”と“自走を促す関わり方”です。後輩がプレーで悩んでいたときに、すぐに答えを伝えるのではなく、「これをやってみたら、何か見えてくるかもしれないよ」と声をかけ、自ら考えるきっかけを与えるようにしていました。答えを提示するよりも、考えさせる余白を与えることが、成長に繋がると感じていたからです。
また、チームの課題や改善点について話し合うミーティングも定期的に行い、後輩にも意見を求めるようにしていました。「このとき、どう感じた?」「もし自分がこのプレーを受けたらどう思う?」といったように、答えを引き出すコーチングのような関わりを意識していました。その場ではうまく言語化できなくても、考える習慣が少しずつチーム全体に根づいていくのを感じられたことは、副キャプテンとしての何よりのやりがいでした。
もちろん、すべてがうまくいったわけではありません。同期との意見の違いに悩んだこともありましたし、後輩がなかなか意欲を見せてくれずに戸惑うこともありました。ただ、そうした壁にぶつかるたびに、「自分の考えは本当に正しいのか」「もっと相手の立場に立って考えるべきではないか」と、何度も振り返りながら一つひとつ向き合ってきたことで、人との向き合い方や関係構築の重要性を深く学べたと思います。
大学時代は、勉強を軸にしながら、学内活動やアルバイトを通して自分の成長を追求した4年間でした。特に学業面では、親に学費を負担してもらっていることへの感謝の気持ちを常に持ち、「せっかく学ばせてもらっているのだから、得られる学びはすべて吸収しよう」という強い思いで日々の授業に取り組んできました。
その結果、GPAは3.85まで上げることができ、学科で取得できる「健康運動実践指導者」「フードスペシャリスト」「健康管理士一般指導員」の3つの資格を取得しました。学業の頑張りが評価され、学科優秀者に2度選出されただけでなく、卒業式では学部代表として目録を読み上げるという貴重な経験もさせていただきました。自分自身の努力が認められた瞬間でもあり、大きな自信にもつながりました。
学内活動としては、先生からお声がけいただいて「アシスタントティーチャー」を務めた経験があります。授業のサポートや資料準備、学生のフォローなどに取り組む中で、相手に伝わるように説明する力、相手の立場に立ったコミュニケーション力が鍛えられました。教える立場になるからこそ、自分の理解も深まり、「どう伝えればわかりやすいか」を考え続ける姿勢が自然と身についたと思います。
また、オープンキャンパススタッフとしても活動していました。担当したのは、学科で使用する測定機器の体験ブースで、来場してくださった高校生や保護者の方に学科の魅力を伝える役割を担っていました。特に意識していたのは、高校生の目線に立って話すことです。専門用語を避けてわかりやすい言葉で説明したり、不安や疑問にしっかり向き合ったりすることで、少しでも「ここに進学したい」と思ってもらえるよう心がけていました。誰かの志望度を高めるという目標を持ちながら関わることで、自分自身のプレゼン力や気配り力も大きく伸びたと感じています。
アルバイトでは、スポーツジムのインストラクターとして働いていました。お客様一人ひとりに合わせたマンツーマン指導を行う中で、最初はうまくコミュニケーションが取れず、20分のカウンセリングがわずか3分で終わってしまった経験もありました。「何を話せばいいかわからない」「質問しても盛り上がらない」──そんな壁にぶつかった時期もありましたが、試行錯誤の中で学んだのは、“相手に話してもらう”ことの大切さです。自分が一方的に話すのではなく、自由回答型の問いかけで相手の思いや背景を引き出し、それに寄り添って会話を進めていくことで、自然な信頼関係が生まれていきました。
さらに、スポーツタレント発掘のアルバイトにも取り組み、小学5〜6年生の子どもたちに運動プログラムを通じて体の使い方を指導していました。年齢も感受性も異なる相手と接する中で、伝える言葉や伝え方に工夫が求められました。どんな場面でも、相手が今何を感じているのかを想像しながら接することの大切さを学べた時間でした。
こうして振り返ってみると、大学生活は「学び」と「実践」をバランスよく経験できた4年間だったと感じます。